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ハーブの色と石けん[2] ハーブティー [├ 石けんの色]

ハーブティーや浸出油の色、ハーブそのものの色、石けんに入れたときどうなるのか、そのままの色が残るのか、特に初めて使う材料のときは気になります。「アルカリで負けて色が変わってしまうと思います」なんていうのは簡単ですが、実際入れてみる前に変色するかどうかくらいは確認できるんじゃないかなということで軽く実験してみるシリーズ、第2回はハーブティーです。

■その2) ハーブティーとpH


【前書き】
前回の(その1:アルカネット・紫根)では浸出油の色が残るかどうかを確認し、重曹やセスキ炭酸ソーダで最後の色に近いところまでできそうという結論になりました。今回はハーブティーやハーブパウダーなどのそのものの色はどうだろう編のpHの回です。

ティーにきれいに浸出される色は水溶性のフラボノイド・アントシアニン系の色素が多いです(逆に水溶性のためインフューズドオイルにしてもその色は抽出できません)。アントシアニンというと赤~赤紫のイメージですが、分子構造の違いや結合している金属などによって青や黄色のものもあります。
アントシアニン系色素はほとんどがpHで色変化します。また中性より高い領域では不安定で経時的に変質してしまうものも多いようです。細胞内に存在しているときは基本的に酸性環境のため、アルカリ性の石鹸に入れたときにそのものの色が出ることはまずありません。

アルカリで変色後にもそれはそれできれいな色を呈するものもありますが、その色がそのまま石鹸に残るとも限りません。茶色になってしまうものが多いのではないでしょうか。これにはpH以外のいろいろな要因があると考えられるので一概にはいえませんが、そもそもアルカリでは不安定で変質してしまう、色素自体やそのほかの成分が苛性ソーダで破壊・反応してしまう、熱にやられてしまう、光にやられてしまう、また水分が蒸発してしまうことで水中と同じようには発色して見えなくなるケースなどがあるでしょう。

したがって簡単なpH検査だけでは最終的な石けんの色の予測は難しいものの、アルカリで色が残るのかどうかはわかるという程度の目安としてください。

■実験
1)試料:pH調製液とハーブ
アルカリ液として重曹またはセスキ炭酸ソーダの5%水溶液を使用。(前回参照)
ハーブとして、マロウ(ブルー)、ローズレッドペタル、ハイビスカス、ローズヒップ。

2)アルカリでの色変化
試験管にいれたハーブに熱湯を注ぎハーブティーとしました。このハーブティーの一部を別の試験管に取り分け、重曹水溶液を加えて色の変化を確認ました。

【結果】
・色変化のあったもの

2本ずつ一組で、ハーブは左からマロウ、ローズ、ハイビスカス。左がハーブティー、右が重曹水入り。
ハイビスカスは真っ黒のため水で薄めて撮り直し。左からハーブティー、重曹水入り、セスキ水入り。

これらのハーブはアルカリ性で大きく色変化しました。マロウ、ローズは緑色、ハイビスカスは青~ねずみ色。

・対してローズヒップは全く色変化が見られませんでした。(色が薄いのは重曹水等で希釈されたため)

【考察・後書き】というほどのこともない雑文。
とりあえずハーブの色素がpH変化するかどうかは重曹を入れるだけで識別可能。
今回重曹水で色変化したものはすべてアントシアニン系色素のハーブでした。重曹水~セスキ水のpHは実際の完成石鹸に近いところですが、この色の石鹸になるとも限らないことは多くの方が経験していることでしょう。前書きに書いたようにpH以外の要素が絡んでくるためにこれ以上の正確な予想は難しいところです。ティーではありませんが最近の経験では、ローズペタルを混ぜた石けんで、はじめはハーブから写真のような黄緑色が染み出ていたのに数日の間に茶色に変わっていく様子が観察されました。

色が変わらなかったローズヒップについては、メインの赤い色素はカロテノイド系のリコペン(リコピン)で、アントシアニン系ではありません。ただしリコペンはカロテン同様に脂溶性でティーにはほとんど溶出しないとのこと。ティーが赤茶~オレンジに見える色合いはごく少量のリコペンかリコペン以外の水溶性成分によるもの、また完成石鹸が元のティーよりも濃い赤茶色になることがあるのは鉄分の酸化などによるものが大きいのではないかと考えます。パウダーを直接入れるとティー以上にすごいことになるという点にも興味あり、このあたりはローズヒップとリコペン、鉄をテーマに改めて考察してみたいところです。
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■おまけ
この実験でも使ったマロウ(ブルー)はアントシアニン系の色素がpHで劇的な色変化をするので有名で、紫キャベツと共に理科実験に使われています。家にあるもので楽しめるので自由研究にもいいですね(誰の?)。
ということでおまけ画像としてマロウのハーブティーのpH変化をご覧ください。

左から、酢酸、ハーブティー(熱湯)、重曹、熱セスキ水。ここで一区切りして右の2本は水出ししたものです。一番右が冷水抽出、右から2番目は冷重曹水で抽出したもの。
一番右の鮮やかな青色と、左から2番目の薄紅色の熱湯抽出ティーを比べてください。お湯でも入れたては水色ですがすぐに熱で変色してしまうのです。水出しのアイスティーや青い氷にしたらきれいですよ~。カルピスの希釈に使うという使い方もあるそうです(酸側なのでピンクになるかな)。アルカリも水出しのほうがきれいな青緑色、これ、熱をかけないように作ったら残りませんかね。。。無理かな、やっぱり。

(追記) カルピス作りました。
カルピスに青いティー(水出し)を注いだ瞬間にパーッとピンクになるのがきれいでしたよ。
青いティーは1時間くらい置いたらだいぶ色が薄くなっていました。やはりあまり安定ではないのですね。

■おまけ実験: ハーブの色・トライアル(失敗)
ハーブパウダーそのものを直接入れたときの色を確認する方法探しの一環で、マロウ、ローズレッド、ハイビスカス、ラベンダーに直接重曹水をかけてみた。

色水が染み出てくるのはいいとして、花弁のほうはアルカリによる変化というより水分に脱色されたという感じ(ローズだけはハーブ自体が緑色に)。パウダーを直接石けんに入れた場合とはやはり条件が異なる印象で、この実験は不成功。
ハーブそのものの色を確認する方法は考え直しのため、第3回ハーブパウダー編は今のところ見通しが立っていません。パウダーやめてローズヒップにテーマ替えかな。もしアイデアやご希望あれば・・・といちおう書いてみる。

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コメント 11

ノギス

じゃ、マロウティーを石けんに入れると黄色~緑っぽくなるんですかね?
そんなに鮮やかには出ないのかな??
ハイビスカスが灰色って…哀しい。
スパイスは、油と相性が良さそうだし…
他に何があるかなー?

野菜とか…?
by ノギス (2007-03-02 15:38) 

ゆりくま

■ノギスさんこんばんは。
この実験ではマイルドに重曹でやってるけど、石鹸では苛性ソーダ経由しちゃうからがんばっても黄色くらいで緑は出ないでしょうねぇ。
何で抽出したかは分からないけど、M&Pとマロウできれいな黄緑の石けんの写真はみたことあります。再度探しに行ってみようかな。

野菜ですか・・・。ナスとかサツマイモとか、セロリとかは香りも残りそうだけど、やりたくないなあ。
紫とうもろこしとビートにはちょっと惹かれています。
by ゆりくま (2007-03-02 21:46) 

ソーダライト(石鹸大好き)

こんばんは。名前変えました。
石鹸大好きだなんてストレートすぎるので。

野菜と言えばビーツパウダー(確か赤カブですよね)のパウダーは使用したことがあります。
やはり茶色く変化しました。
ローズヒップ・・・これの抽出水で作ったことがありますが、色が結構出ますよね。
そうだったのか~!確かに石鹸にしたときのほうが濃くなったりしますね。
なるほど、酸化か・・・
同様に、というかカカオマスも同じような感じで、石鹸にすると切り分けたところから数時間でどんどん濃くなっていきます。あれは一体どういう原理なのでしょう・・・

下で書かせてもらったよもぎですが、ご指摘のとおり、やはり熱にやられてしまったようです。
煮出すと色がきれいに出ませんでした。何となく茶っぽい・・・
生地に直接混ぜ込むほうが発色がきれいでした。

植物で目標の色を出すのはなかなか難しいですね。
by ソーダライト(石鹸大好き) (2007-03-02 23:33) 

keiko

こんにちは~前回の実験の時も試験管立てにときめいてました(笑)

ハイビスカス大好きなのですが、やっぱり変色しちゃうんですね~
この間ローズヒップとハイビスカスの両方を入れた抽出水に
苛性ソーダ入れた時の劇的な変化は一体なんだったのかと思っていたので
ちょっと謎が解けた感じです(笑)
青緑色→オレンジがかった茶色と一瞬にして変化していったのでした…
石けん自体は今のところ茶色っぽいワインレッドなので、やはり最終的には茶色で落ち着いちゃうんでしょうね~残念です。
by keiko (2007-03-03 10:44) 

ゆりくま

▼ソーダライトさん、keikoさんこんばんは。
■ソーダライトさん
改名おめでとう(?)ございます~。
ローズヒップが何故ああいう変色をするのかはすっごい興味あります。酸化かどうかははっきりしないんですが、空気に触れて変色するっていうところが怪しいです。カカオマスもそうなるんですか? !

緑はパウダーを直接入れるか、オイルで抽出したほうがよく出ますよね。

■keikoさん
ハイビスカスは消えてしまったんですね。今ワインレッドが出ているならローズヒップの色なので、そのまま残ると思いますよ。
色素だけじゃなくてたんぱく質やそのほかの成分がたくさんあるので、苛性ソーダを入れたときにいろいろ反応してしまうのでしょう。
いい石けんになりますように。
by ゆりくま (2007-03-03 23:21) 

じゅにぱー

ゆりくまさん、こんばんは。
あまり知識の無い私でも、わかりやすく書いてくださっているので、すごく勉強になります^^

私もいくつかハーブを使った石けんを作ったことがあって、
マロウブルーはカットした時に中身がグリーンぽっくなっていたのに、乾燥中に結局ベージュに戻ってしまいました。
ハーブで作るとほとんどがグレーやベージュになってしまうのに、ローズヒップだけは色が出るのが不思議でしたが、理由を知り納得でした!

いろいろ突き詰めて調べる研究熱心なところ、すごく尊敬しちゃいます(*^_^*)
by じゅにぱー (2007-03-04 02:09) 

ゆりくま

■じゅにぱーさんこんにちは。
石けんのほうはあまり数を作る時間がないので、こんなことばっかりしてます。単に色が変わる実験が楽しいだけともいいますが。
マロウブルー、一瞬でも緑が出るんですね。長持ちしてくれればいいのに。
色々調べているのですが、これ系色素はpH3以下でないと不安定ってことが多いようです。
ローズヒップの色の真実は突き止めたいなぁ。
by ゆりくま (2007-03-04 14:10) 

マリン

オセロゲームのゆりくま、つよいですね!!
って、ことで・・・あの、ハーブティーってレモン混ぜるとどうなるんでしたっけ?ピンクだったか・・・ともかく色をいろいろ調べてます。
なにかしっているかたは教えてください!!
by マリン (2007-08-30 20:34) 

ゆりくま

■マリンさん
こんにちは。
ハーブティーといってもいろいろです。
レモンが酸性かアルカリ性かはご存知ですか?
その上で上の記事を読んでみてください。
もし理科の教科書に載っている話の復習ならマロウの写真がその答えです。
by ゆりくま (2007-08-30 21:12) 

マリン

二回目です!こんにちは
種類調べてみましたハーブティーの色っておもったより多いです!今度いくつかのハーブティーで実験してみようとおもいます
ゆりくまさん、見習ってやってみます(‘~^)
by マリン (2007-08-31 15:31) 

ゆりくま

■マリンさん
そうですねー。少し紫の入ったような赤や青のハーブは酸性で鮮やかな赤系、アルカリ性では緑や青(というかねずみ色?)になる物が多いと思います。
是非ご自分で見てみてください♪
by ゆりくま (2007-08-31 22:30) 

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