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ミドルソープ [石けんまわりの化学(11)] [├ 用語・材料・化学っぽいこと]

ミドルソープ [石けんまわりの化学(11)]

手作り石けんの過程で起こるいろいろな現象を少しまじめに考えてみるシリーズ
ご意見、ご感想はお気軽にコメント欄にお寄せください。わかりにくいことも極力補足できるようにいたします。




廃油石けんを塩析してキッチンやお洗濯用の石けんを作っています。
先日ちょっと塩析の加減を試していたら、いつもとは異なる感じの石けんが得られたので紹介します。

今回のいつもの
色の違うところがいつもの


塩析石けんの塊をスライスした断面にまだらに色の濃いところがあります。
水分が多そうな色です。色はそんな感じでやわらかそうなのですが、実は固めのゴムのような弾力があり、不透明なところはすっとナイフが通るのにこの部分はは手ごたえがありました。

この石けんは通常は1回の仕上げ煮(石けんに含まれる塩だけで塩析して塩の含有量を減らす操作)を2回やってみたものです。
塩析は起こって石けんと水に分離したのですが、取り出したときは非常に水分が多い感じでぶよっとしていました。

しばらく乾燥させたら大部分は不透明に変わり、水に触れていた下側のほうに上の写真のような変色部分ができていたのです。

出したとき乾きかけ
081218_2124~010001.jpg




さて、この変色部分はなにかというと、「ミドルソープ」といわれる結晶領域にある石けんです。
結晶の形態ではヘキサゴナル結晶になります。

下に「ジェル化の正体(1) [石けんまわりの化学(7)]」ジェル化の正体(2) [石けんまわりの化学(8)]で引用した、石けんー水系の相図を再掲します。

ミドルソープは水分量が多いにもかかわらずラメラ構造のニートソープよりも流動性が少なく粘り気があり、透明性があります。
非常に粘稠な石鹸塊になるなど物性的に非常に扱いにくく再溶解が困難なため、工業的な石鹸製造においてはこの相のセッケンができてしまうことは通常好ましくないこととされています。

アルカリ不足の鹸化、塩析の電解質濃度が低すぎるときに生成しやすいとのことで、今回はまさに後者の理由でできてしまったものと考えられます。

パルミチン酸K相図.jpg
パルミチン酸Na相図.jpg

通常の石けんはニートソープといわれるラメラ構造の部分になります。石けんと水の相が層状に積み重なっているために相の境でスライドしやすく、流動性があります。
対するミドルソープは石けんががっちりした柱状の結晶構造をとりその中に水を抱え込んでいるような形になるため、固くて流動性が無くなるわけです。


※塩析石けんに関しては、[粉石けん・リバッチ石けん]カテゴリ を参考にしてくださいませ 


参考書籍---------------
■「油化学便覧 第4版 -脂質・界面活性剤-」日本油化学会編, 丸善 (2001)
■「新版 脂肪酸化学 第2版」 稲葉恵一 平野二郎 編著, 幸書房 (1990)


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