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ウルトラマリン 青について [├ 石けんの色]

石けんに青色をつけるのに使うウルトラマリンブルーについてコメント欄でご質問がありました。
長くなるので記事として回答させていただきます。

ご質問のポイントは以下の2点です
1)着色に合成ウルトラマリンを使ったら無添加石けんといえるのかどうか。
2)ウルトラマリンを使わないで水色の石鹸を作る方法


■1)ウルトラマリンと無添加石けん

まずはじめに、無添加とは何かという言葉のあいまいさの問題があります。
実は「無添加」に定義はないのです。

化粧品の類は大抵が混合物です。基材(水や油)に色々な成分を添加して作られているのが基本ですから、有効成分だって添加物です。その中でいったい何が無添加なのかという事が分かるようにしないと意味がありません。

例えば「旧表示指定成分無添加※」「防腐剤無添加」「酸化防止剤無添加」「着色料無添加」「香料無添加」「合成界面活性剤無添加」などなど。
更に例えば酸化防止剤といってもいろいろあります。BHTやEDTAはダメでトコフェロールはアリなのか、後から加えるのはダメだけど植物エキスに元々含まれているときはいいのか、とにかくそういう効能のあるものは一切入っていなのか、など、何がどの程度無添加なのかを本当にはっきりさせるのは大変です。

そう考えると安易に無添加という言葉を使うことは逆に不誠実になるかもしれません。
自分の求めている無添加と、人の求めている無添加は異なるかもしれないからです。

とはいえ、ここはあくまで自分で使う石けんを自作するという範囲の話ですから、あいまいな言葉に振り回されたり流されたりせず、何がダメなのかのラインは自分で納得いくように決めたらよいと思います。
ウルトラマリンが人工のものだから使ってはいけないと思うなら排除すればよいし、別に何の害もないのだからかまわない、色つきのほうが楽しいという考え方もありです。

そしてようやく本題のウルトラマリンブルーです。(長くてすいません)

天然のものはラピスラズリという貴石から取り出すということをご存知の方は多いと思いますが、非常に希少&高価で、とてもとても石けんに入れて洗い流してしまうなんてもったいないことはできません。

化粧品材料店で購入できるウルトラマリンブルーは合成ウルトラマリン(フレンチウルトラマリン)です。

カオリン(クレイ)や金属塩、ソーダ灰、活性炭などを高温で焼くことで得られます。石灰を焼く炉の中で偶然発見されたのが始まりだそうです。
詳しくは下にWikipediaへのリンクを貼っておきますのでご参考ください。

構造的には天然のものと同じで、製法からみても石や陶器の粉みたいなものと言ってしまっていいものだと思います。

天然の鉱物から得られる顔料は他にも多くあり、画材店で比較的安価に購入できるものもありますが、天然由来の場合、化粧品用に精製されていないものには有害重金属の混入懸念があります(顔料そのものが重金属化合物のこともあります)。だから天然=安心と思って安易に購入してはいけません。そういう意味でははじめから怪しい原料の混入がない条件で作られる合成ウルトラマリンは比較的安心できる着色剤ではないでしょうか、と私は考えています。


ちなみにウルトラマリンは下※にちょっと書いた「旧表示指定成分」ではありませんから、2001年以前のルールなら堂々と無添加と称してよかったかも。
現在どう考えるかは、くどいですが、個人の自由です。


石けんを含む化粧品の場合、以前は厚生省が定めた「表示指定成分」というアレルギー反応を起こす疑いのある成分102種類のリストがあり(表示しなくてはいけない義務があったのは「表示指定成分」だけ)、この表示指定成分が入っていない化粧品のことを慣習的に「無添加化粧品」と呼んでいました。
しかし2001年4月からはその指定がなくなり、代わりに「全成分表示」になりました。配合されているすべての成分を表示しなさいということです。これに伴って以前の無添加化粧品(暗黙のルールで表示指定成分無添加)という考え方は通用しなくなっています。昔の無添加化粧品は「旧表示指定成分無添加」としていることもあるようです。

(旧表示指定成分リスト)
http://www.fine-club.com/beauty/skincare/kyu_hyoujisiteiseibun.html

▽ウルトラマリンブルーの石けん
夏のおい石

---------------
ウルトラマリン. (2009, 2月 5). Wikipedia, . Retrieved 04:32, 2月 26, 2009
from http://ja.wikipedia.org/w/index.php?title=%E3%82%A6%E3%83%AB%E3%83%88%E3%83%A9%E3%83%9E%E3%83%AA%E3%83%B3&oldid=24241105.


■2)ウルトラマリン以外の青(水色)について

ご質問1)があることを考えると、何か天然のもので青色をご希望と思われます。
今のところ藍・インディゴが確実です。
染料として発色(藍建て)済みのすくも藍、藍液、藍パウダーなどを使うか、藍の葉やヘナなどに使うインディゴを自分で藍建てして使うかというところです。試薬で合成インジゴ粉末を購入することもできます。
いずれにせよ肌に直接使う目的で製造販売されているものではないので、使ってみて何かあっても文句を言ってはいけません。
(素材や加工に使われている水、器材、包装などの衛生面、途中でどんな薬剤を使っているか分からないなど)
もちろん藍自体が肌に合わない可能性も念頭におかなくてはいけません。

あと高価ですが、ジャーマンカモミールの精油があります。ベースの石鹸をできるだけ白くするように心がければ、新鮮なものなら比較的きれいに発色すると思います(古くなると退色して緑っぽくなります)。


マロウ・ブルーなどの青い花の色をそのまま石けんに残せないかとも思いますが、難しいです。
目安として水に溶け出やすい色は残せないことが多いと考えてよいと思っています。
バラの赤やマロウの青など、アントシアン系の色素はpHや金属配位子の種類で赤~紫~青系の様々な色がありますが、植物の体内環境は弱酸性側にあるぼが普通で、弱アルカリ性の石けんではまず変色します(紫キャベツのpH実験でおなじみですね)。また安定性がよくないため、アルカリ側で思うような色が出るものであってもかなり早い段階で退色してしまいます。
このハーブはどうかと個別に聞かれてもさすがに分からないので、お茶を作って重曹やセスキを入れて色変化を確認するのが早いと思います。

▽ハーブティーとか重曹入れたのとか →こちらの記事


逆にオイルのほうに溶けやすい色素は石けんに残せることが多いです。
カロチノイド(カロチンやリコピン)の赤~オレンジ、緑の植物のクロロフィル(葉緑素)、紫根やアルカネットの紫色などです。光で退色しやすいので保管には注意が必要です。

藍の色素であるインディゴは顔料といって水にも油にも溶けにくいものです。藍液は溶けているのではなく細かい粒子が分散しています。

▽紫根インフューズドオイルに、念のためウルトラマリンブルーと炭を各少々で退色対策
ラベンダー




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コメント 6

れな

こんにちは。
今回の記事の中で、ちょうど今、私が疑問に思っていたところがあったため、コメントさせて頂きました。
> 化粧品用に精製されていないものには有害重金属の混入懸念があります
という部分なのですが、化粧費用のものはそのようなものは含まれていないということでしょうか?
何事にも100%はありませんから、100%とは言えないかもしれませんが…。
最近、マイカ等の天然の鉱物などには元々金属等(アルミニウム等)が含まれているため、危険なのでは?ということを聞きまして…。
けれど、そんな危険なものを化粧品の材料として使わないのでは?というのが私の考えだったのですが、ゆりくまさんはどのように思いますか?
by れな (2009-02-27 13:50) 

vivi

とても、詳しく説明していただきありがとうございます。

お友達にプレゼントをする時にの説明書きに合成界面活性剤・酸化安定剤・保存料・合成香料・合成着色料を使っていませんと書いたのですが
、そういえば青色を少し使ったウルトラマリンって合成?それでは、説明書は嘘になるのかしら?と思っていました。
合成着色料無添加は消した方がよさそうですね。

こんなに丁寧にお答えいただき恐縮しています。
3月にお引越しをされるという事が書いてありましたが、大変お忙しい中お返事いただけてありがとうございました。


by vivi (2009-02-27 16:22) 

ゆりくま

▼コメントありがとうございます

■れなさん
100%はありえないというポジションに立っていただけると話がしやすくて助かります。

ちゃんとした化粧品原料であれば有害性が明らかな重金属はある規格値以下になるように精製されているはずです。
ある国内の金属化合物のメーカーの化粧品材料(表面処理された酸化鉄)の規格表を見たことがありますが、鉛、ヒ素の規格がありましたよ。(規格については下を参考にしてください。)

ただ、金属の元素は非常にたくさんあるわけで、すべての金属が規格化されているわけではありません。私は敢えて上で「有害重金属」という書き方をしましたが、鉛やヒ素など有害性が明らかで混入する可能性の高いものだけだと思います。
(規格化されていないことと分析されていないことは同じではありません。一定量以上の不純物は分析されているのが普通です。)

れなさんが例に挙げられたアルミニウム(軽金属ですが)が危険かどうかについては議論をパスさせてください。


※化粧品原料の規格の話
やはりその昔(2001年以前)、化粧品原料規格とか化粧品種別配合成分配合規格とかいう規格があって、主な化粧品原料はこの規格に適合することで安全を担保していました。重金属を含む可能性のある物には試験法と○ppm以下という規格がありました。
しかし全成分表示への移行に伴ってこの規格も廃止され、一部のものを除いてメーカーが自己責任で原料の規格を決めなさいということになりました。
でも急にそんなことを言われても困るので、化粧品メーカーは今でも旧粧原規等を引き継いだ、あるいはそれよりも厳しい原料規格あるいは下記※※の原外規で運用していることが多いと思われます。

※※旧粧原規、粧配規はなくなりましたが、収載されていた成分は一部見直されて「医薬部外品原料規格2006」の別記Ⅱ(主に医薬部外品の有効成分として使用される成分以外のもの)に再収載されています。

酸化鉄やマイカが外原規にどのような形で収載されているのかいないのか、重金属の規格値がいくつかなどは調べたことがないので分かりません。
なにせ4万円もする本なので。。。 機会があれば図書館で探してみたいところです。


■viviさん

なんかくどくなってしまってごめんなさい。
あくまで個人的な感じ方なのですが、無添加アピールって裏を返せば結局ネガティブキャンペーンと同じようで、なんだか好きじゃなくて。。。 で長くなっちゃいました。
何かを否定して相対的に高いところに上がるのではなく、私にできる最大限の良いものですっていうのが伝わればよいなと思っています。
(理想ばかりでできてないのですが^^)



by ゆりくま (2009-02-27 19:23) 

れな

とても詳しくお答え頂きありがとうございました。
やはり、そのような規格が存在していたのですね。
全てを良い方向に考え過ぎるのも良くないことだと思いますが、
いろいろな物事に対してうるさく言われる時代となった今だったら、
廃止されてしまった規格以下のものは使用されないのでは?
…と考えてしまうことにします(苦笑)

不安に思うことがあれば、
一番は化粧品を使わないことですが、
女性として、それはなかなか難しい…。

1つの疑問が、ゆりくまさんのおかげでとりあえず解けました。
あとはもっと自分でも本を読んだりしてみようと思います。

ありがとうございました。

by れな (2009-02-28 23:46) 

モン・ユキ

きれいな青を出すのには本当に悩みますよね~~~。
紫根の場合はオイルの時点で着色なので、マーブルにはしづらいですし。
私はウルトラマリンブルーでやっちゃっていますが、普段使いのお気に入り石鹸ではないというのが本音です。
人目を引くためというか、手作りでもこんなにきれいになるんだぞというエゴ石鹸です。

ところで化粧品が全表示になってから、何がなんだかわかりづらくなったと思います。
だから、全表示+旧表示、両方やっていただけるとありがたいです。
(誰にお願いしているのでしょうか?)

ところでところで関係ないですが、とある看板
「無添加住宅」
何が無添加なんだか、気になります(笑)
クギ無添加だったりして~~~(笑)(笑)(笑)(笑)
by モン・ユキ (2009-03-01 17:54) 

ゆりくま

■れなさん

簡潔にまとめられなくてごめんなさい。

ちゃんとした化粧品メーカーなら旧規格より甘い設定はありえませんよ。
世界的な動向で(化粧品に限らず)化学品の有害金属などの規格はどんどん厳しくなっていますから。
この場合の化学品というのは天然とか石油とかいう由来は一切関係なく流通する化合物等全般のことです。

あまり気にしすぎると明日のお肌によくありませんから、ある程度割り切ってお気楽に行きたいものです。


■モン・ユキさん

全成分表示ねぇ、見る気をなくさせる作戦だとしか思えないですね。
INCI名も分かりにくいし。

無添加住宅、いいですね!
過去いったい何を添加していたのでしょう? 仕上げにうまみ調味料とか振ってたんでしょうか。

青い石けんは私も気合入れたデザイン石けん企画のときくらいしかやりません。やっぱり不自然な色なので普段使いにはどうも・・・。香りもあわせにくいですし。

by ゆりくま (2009-03-02 00:00) 

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