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石けん炊いてみました、その一。 SHP [▼手作り石鹸のツボ]



石鹸炊いてみました。

釜炊き石鹸なんて言葉があるとおり、加熱しながら鹸化するプロセスを日本語では「炊く」と表現します。英語だとcookです。(実は石鹸だけでなく化学プロセス業界全般で炊くとか煮るとか言うんです。)

ということで石鹸の炊き方(ホットプロセス)のアイデアを2回に分けて紹介します。

・作った石鹸の紹介はこちら→「ホットプロセスの石けん、2種」
・石鹸炊いてみた 二つ目の記事 →「石鹸炊いてみました、そのニ。CPSP」


ホットプロセスは加熱して鹸化を進めるため、熟成期間が不要ですぐ使い始められるメリットがあります。
見た目に凝らない家事用石鹸、透明石鹸、アルコールを使わずにリキッドソープの素を作るとき、リバッチなどには便利な方法です。
(もちろん頑張ればそこそこ見た目の良いものを作ることもできます)
また、鹸化が終わってからオプションを加えるため、エッセンシャルオイルやオプション材料を強アルカリと触れさせないで済むのも特徴です。(多少の熱はかかりますが)


海外では直火でグツグツ炊くクラシックなホットプロセスの他に、比較的低温で行うにはクロックポットを使うホットプロセス(CPHP)、コンベクションオーブンを使うホットプロセス(OHP)、コールドプロセスで型入れした後コンベクションオーブンを使うCPOPなど、いろいろな方法が提案されています。
根強い人気があり、かならずHPという人も少なくないようです。


比較的低温でマイルドに行うホットプロセスに必要な温度はおよそ70℃前後です。温度を上げすぎると途中で分離しやすくなります。

日本ではクロックポット(釜が大きめの陶製の、電気鍋)は一般的ではないし、70-80℃程度の低温に設定できるオーブンはかなり上位機種になるようです。なのでホットプロセスといえばIHヒーターも含む直火か湯煎が定番ではないでしょうか。もちろんそれでまったく問題はないのですが、一部のIH機器を除いては温度管理に非常に手間がかかります。温度が気になって目が離せません。そう思うと、海外で提案されている道具はすべて温度管理を楽にすることに寄与しているようです。


でもでも、日本にもあるじゃないですか! 70度くらいを維持してくれる熱源。


電気炊飯器(電気炊飯ジャー)



そう、日本人的ニュアンスで「石鹸を炊いちゃう」ホットプロセスにトライしてみたのでした。

初めに紹介する方法は、名付けてSuihanki Hot Process、SHP!

 (英語圏へ輸出されないと思うので敢えて日本語。Rice cooker Hot Process、RHPでもいいですが)

湯煎を使ういわゆる普通のホットプロセスに電気炊飯器を活用しようというもの。
ただそれだけです。前置き長くてすいません。 



■■SHP手順

▼モデルレシピ(ガスールサンド石鹸 300gバッチ)
・オイル:オリーブ油 72%、パーム核油 18%、カカオバター 10%、ROE
・水分 35%、鹸化率 95%
・オプション: ガスール、ホホバ油、EO
・あれば 乳酸ナトリウム(粉末) オイルの0.5%(1.5g):食塩でも代用可


▼道具(特記のみ)
ボウル、シリコンへら、泡だて器(スティックブレンダー)、炊飯器、適当なナベブタ、タオル
苛性ソーダ水溶液を作るセット
石鹸型


▼手順

(0)下準備(道具探し)

・炊飯器の釜に差し込んで湯煎が可能なボウルや容器(ステンレスまたは耐熱ガラス、苛性ソーダ耐性・耐熱のある樹脂)を探す。
※ウチの場合は5合炊きの炊飯器に20cmの深型ボウルがぴったりでした(下写真。釜に水を張ってるので少し浮いてます)。
※多少上がはみ出してもかまわない。底から側面がしっかり湯煎できるようなものを。



・また、容器を沈めて側面までしっかり湯煎できる水(お湯)の量を確認しておく。
※底面が加熱されていても側面から冷えることが、ホットプロセスのタネが扱いにくくなる原因の一つ。

・ボウル、あるいは炊飯釜ごとかぶせられる鍋ブタがあれば用意しておく。
※ウチの場合、18cmのステンレス鍋のふたがジャストサイズ。

・ソフトオイル(特にオリーブオイル)が多いレシピでは非常に型出ししにくくなるらしいので、底が抜けるタイプの型や、紙やポリ袋での中敷きを用意。


(1)ホホバ油以外のオイル、苛性ソーダ水溶液を計量・調製する。

・固体脂は溶かす

・苛性ソーダを溶かす水には あらかじめオイルの0.5%程度の乳酸ナトリウムを溶かしておく。食塩でも代用可。
※加熱後もタネが滑らかで扱いやすくなる。なくても可。

・苛性ソーダ水溶液は冷まさなくてよい。


(2)しっかりトレースが出るまで鹸化させる。

※オイルと苛性ソーダ水の温度を合わせる必要はありません。
※あればブレンダーを使って一気に進めてしまいましょう。



(3)炊飯器で湯煎開始

・炊飯器の釜に手順(0)で確認した量のお湯(70℃以上)を張り、(2)の石鹸タネが入ったボウルを沈める
・鍋ブタ、タオルをかけて炊飯器を「保温」にセットする。 (炊飯器のふたは閉めなくてよい)




・15分おきくらいに様子を確認し、全体がジェル化したらそのまま2~3時間程保温継続する(監視不要)。
・「保温」を切り、10分ほど置いて落ち着かせる。

※以下、実況

・15分後 (湯温 60℃) 縁の方がジェル化し始め


・45分後 (湯温 68℃) 全体がジェル化

※混ぜる必要はありません

・2時間半後、保温停止。念のためpH確認 (9-10くらい)。マッシュポテトではなくかなり滑らか。



(4)オプション追加
※冷めると扱いづらくなるので手早く。可能であれば湯煎から外さずに作業する。

・ホホバ油を加えて混ぜる。EOやFOを加える場合、先にホホバ油に合わせておくと楽。
※ここで少量のオイルを追加することで更に滑らかになり型入れしやすくなる。ホホバやヒマワリ油などさらっとしたオイルがよいらしい。 ※SFしたくない場合は省略可


※上のより滑らか!

・色材、スクラブ材等のオプションを加えて混ぜる。
※今回は半量を取り分けて水に溶いておいたガスールを添加。


(5)型入れ、型出し



・スプーンやおたまで型に移し替える。
・途中で型をトントンして空気を抜きながら重ねていく。

・室温において冷ます
・冷めたら型出し、カット可能

(6)乾燥

・鹸化は進んでいるが、十分乾燥させる方が使用感は良くなる。




■■ 応用

▼透明石鹸
・シロップやアルコールを加えた後の保温工程に使えます。アルコールが飛ばないようにボウルにラップを。

▼カリ石鹸(リキッドソープの素、アルコール使用しない場合)
・(0)~(3)、KOHに置き換えて同様に。
・乳酸ナトリウムや食塩は不要

・次回紹介するCPSPのほうがよいかも。そちらも参考ください。

▼リバッチ
・削った石鹸と水分を合わせて(3)から。
・石鹸の0.5%ほどの乳酸ナトリウムや食塩を加えておくとマッシュポテトになりにくい。

以上


温度が上がりすぎる心配がないため、保温モードに入ったら何もしなくてよいです。
今後も廃油せっけんやナトカリ石鹸をぱぱっと作りたい時に活躍しそうです。

次回、CPSPに続く〜


■■追記

電気炊飯器がない場合、IHヒーターや電気鍋を用いた湯煎でも同じことができます。

湯煎の温度が65〜75℃くらいに維持されるのが理想です。
温度が低い分には時間をかけることでカバーできますが、温度が上がりすぎると分離が起こりやすくなります。
従って、電気炊飯器以外で保温温度を直接設定できない機器を使う場合には、一度お湯だけで温度を測定し、上記の温度範囲を保てるようなヒーターの目盛りを見極めておくことをおすすめします。

※湯煎でなく鍋に直接タネをいれると底だけ加熱で底の温度は上がるのに側面や表面が冷えやすく、分離や部分的な固化を防ぐために時々かき混ぜる必要が生じます。過度にかき混ぜるとぽそぽそのマッシュポテト状になりやすく、また監視フリーというわけにもいかなくなりますので、楽をしたいのであれば実は容器をしっかり沈めた湯煎がベストです。


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コメント 6

ion

炊飯器を使うのか!
たしかに、安定した保温力。
炊飯器でお米炊く以外のことはしたくない人ですが、湯煎だったらOKです!

炊飯器と言うと、蓋を閉めなければいけない衝動にかられますが、保温状態だったら種の入った容器を蓋しておけばいいんですもんね。

蓋の外れるタイプの炊飯器に憧れが…
(無印のヤツ、元気でがんばってまっせ(^O^))
by ion (2012-07-28 12:14) 

sunny

本当にゆりくまさんはドラえもんのポッケ脳!発想が本当に
豊かですよね。きっと、様々なベースがあってからこそ、気づいたり、
できるかも?って思われたりするのでしょうね。
私は根元がグラグラで・・。ゆりくまさんの記事をテキストのように
参考にさせてもらってますが、少しづつ経験しながら、知恵に
していきたいな、、とびっくりと同時に思わせていただいた今回の
炊いちゃった!石鹸の記事をみて思いましたよ。さすがです。

・・・。ところで、あの石鹸WEBのお写真は憧れのゆりくまさん
ですよね・・。一方的ですが、お目にかかれて(写真ですが)
とても嬉しいです。
by sunny (2012-07-29 18:16) 

ゆりくま

▼コメントありがとうございます。

■ionさん

ケーキ焼いたり煮物しちゃう使い方は私もどうも。。。
年季ものでお釜のコートが剥げてきてるってのもあるし。
蓋は取れると洗いやすいよね。

■sunnyさん

そう、あれはかなり頑張った私です。顔出しを断る理由をみつけられませんでした。。。

今回のは巷の炊飯器クッキング(やらないけど)や甘酒作りの方法にヒントをいただきました。
かなり便利〜

by ゆりくま (2012-07-30 08:50) 

さとちゃん

炊飯器!
に、目をつけたところがさすが!ゆりくまさんです。
でもやはり一家に一台、炊飯器は必要なんですね・・・
我が家はご飯はお鍋で炊いているので、炊飯器がないんです。
とほほほほ・・・・・
一定温度の保温だったら、グリル鍋でも代用できるのかしら?
ああでもそれだと、底の方だけで全体的に保温が出来ないな。
私もグズグズグダグダしていないで、ちょっと試してみます。
刺激を受けいるうちが華ですからね(笑)



by さとちゃん (2012-07-30 10:42) 

ラスカル

HPは敷居が高い印象(先入観?)があって、未知の世界でした。
ガス代どれだけかかるのかな、とか
どうしようもない言い訳とかしてCPばっかり(苦笑)
ですが…
炊飯器、でしたか。ですよね。うわー…
拝見しながら天井見上げていました。。
かなりHPが身近になってきました。
ゴハンをよそう度にドキドキしています(笑)

この暑さを使ってCPを芯までジェル化させてみようかと
いろいろ計画立てていましたが、
今夏はHPデビューの方が先かも知れません。。
「炊きたてのせっけん」、やってみます!
by ラスカル (2012-07-31 13:58) 

ゆりくま

▼コメントありがとうございます〜

■さとちゃん
おなべですか! かっこいい〜
グリル鍋とは、いわゆる電気のスキヤキ鍋みたいなやつのことでしょうか。
少し準備すれば大丈夫なので、追記しておきますね。

■ラスカルさん

ジェル化なら、そのニの記事のCPSPの方が向いてると思います。是非ご覧くだされ。
by ゆりくま (2012-08-01 21:38) 

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