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手作り石けんが茶色くなる糖のはなし(その4 おまけ 牛乳編) [├ 用語・材料・化学っぽいこと]

牛乳と苛性ソーダ

糖分を手作り石けんに入れた時に茶色くなるの?ならないの?を考えてきたシリーズはようやく最終回。
牛乳入り石けんについて、です。

「手作り石けんが茶色になる糖の話」の全記事はこちら
その1 実験編 https://kumaguma-soap.blog.so-net.ne.jp/2018-08-30
その2 解説編 https://kumaguma-soap.blog.so-net.ne.jp/2018-09-09
その3 おまけ はちみつ編 https://kumaguma-soap.blog.so-net.ne.jp/2018-10-01
(本記事)その4 おまけ 牛乳編 https://kumaguma-soap.blog.so-net.ne.jp/2018-10-13


自分が作った時の画像がなくて、というか牛乳入りはほとんど作っていなかったことに気がつきましたが。。。 一般的にミルク入りの石けんは茶色くなるよと言われています。
ミルクらしい白い石けんに作り上げることをテーマに本を書いている人がいるくらい(記事最後にリンクを貼ります)

紹介した本に限らず、英語の解説だと、牛乳を入れたら茶色くなる原因は乳糖がカラメル化するからなので温度を上げないように作りなさい、とされていることが多いです。
しかし今回の結果から、この説明には若干修正が必要ですね。

「カラメル化」は加熱時にしか起こらない反応で、砂糖(ショ糖)なら160℃以上、低めの果糖でも110℃以上が必要です。
乳糖のカラメル化の温度は調べ切れていませんが、少なくともコールドプロセス製法の温度範囲ではいわゆる「カラメル化」は起こらないはずです。
ただし、糖の分解や重合が複雑に起こっているという点で、カラメル化(加熱)と苛性ソーダによる褐色化とでは結果的に同じような褐色物質が生成していると考えてもよいのではないかと思います。

先の実験でお示ししたように、苛性ソーダによる乳糖の褐色化は常温でも進みます。
しかし温度が高いことは反応を速めることにつながるので、温度を上げないことは、反応の進行を抑制しつつ、ジェル化を抑制することで褐色物質を見えにくくする、二つの効果があると考えます。

さて、牛乳系については私の中でもうひとつ疑問がありました。
ミルク系には結構含まれているタンパク質
これは褐色化とは関係ないのかしら??

ということで簡単に手に入るもので再び実験

牛乳と豆乳、そしてなるべく糖分を含まないタンパク質またはアミノ酸で、糖シリーズと同様の実験をしてみました。ただし今回はおまけなので、10%の苛性ソーダ水溶液に対して加えた素材の量はテキトーです

使ったもの と可食部100gあたりの糖(炭水化物)とタンパク質(アミノ酸)
・牛乳 (乳糖 4.4g、タンパク質 3.3g)
・豆乳 (デンプンとショ糖 約1g、タンパク質 3.6g)
・うま味調味料/味の素 (アミノ酸 のグルタミン酸Naが主成分)
・鶏もも肉 (糖分なし、タンパク質 25.5g)
・たまご豆腐 (糖分なし?、タンパク質 6.4g)

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1日後の結果を見てみると、牛乳だけが褐色化しています。
他に褐色化したものはなく、還元糖を含まない状態で、タンパク質が褐色化することはなさそうです。
豆乳のように還元糖を含まないミルク類は牛乳のような褐色化は起こりにくいといえます。ただ、褐色化とは別に、タンパク質自体やその他の成分で色が変わるものがあるかもしれないので、糖の情報だけを過信しないでくださいね。


ここで豆知識
苛性ソーダの「苛性」とは、動植物の組織など対して強い腐食性を持つという意味です。具体的には、脂肪やタンパク質を分解します。脂肪は鹸化され、タンパク質は(ペプチド結合の加水分解により)アミノ酸に分解されます。
鶏もも肉は1日目の写真ではまだピンクの組織が残っていますが、だんだん色が抜けて無くなっていきました。苛性ソーダ水が皮膚に付着するとぬるぬるするのは分解が始まっているためです。すぐに洗って完全に落とさないと皮膚の深部に入り込んでいきます。
保護具大事! 気をつけましょう!

タンパク系実験
さらに放置して4ー5日後
牛乳はさらに濃い色になり、牛乳だけがゆるく固まりました。乳脂肪分の鹸化で石けんができて固まったのかな?
鶏肉はペラッペラになっています。

埃除けのラップを外すと、どの容器もアンモニア臭い。
ミルク系を石けんに入れる際は、この匂いを抑えるためにも、温度が上がりすぎないように作業するのは有効です。

個人的には、褐色化に糖が関わるもう一つの有名な反応、メイラード反応も気になっています。還元糖とアミノ酸がくっついて褐色物質メラノイジンを作る反応で、常温でもじわじわ進みます。苛性ソーダでタンパク質が分解されて、そこに乳糖やブドウ糖があったらだんだん茶色になるんじゃないの?!
とか
でも還元糖だけでも茶色くなることがわかっているから、さらにメイラード反応が起こっているかどうかなんて目で見る実験の範囲では確認しようがないので今回はここまで。

糖のことを書くぞ! と決めてから半年もかかっちゃいました。
少しでもお役に立てて入れば幸いです。
また、感想、ご意見などもいただけると助かります&励みになります。
よろしくお願いします。

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